「あれ?」と思う瞬間がはじまり
今まで聞いたことのない言葉を使ってきた。
どこで覚えたのか分からない話を、当たり前のようにしてくる。
親に聞くのではなく、友達から聞いたことをそのまま信じている。
そんな瞬間に、親として「あれ?」と感じることはあるかと思います。
そして、それが性的なワードなら尚更、敏感に。
ただ、それは全くおかしい事でも、変なことでもありません。
誰もが経験する、これも1つ大切な性との出会いです。
子どもは家庭の外でも学び始めている
小学生、とくに3年生〜5年生あたりから、
子どもたちの世界は大きく変わっていきます。
(※この出会いの年齢層は時代と共に変わっていきます)
これまで中心にあった「家庭」から、
少しずつ「外の世界」へと重心が移っていく時期でもあります。
友達との関係が深まり、上級生との関わりも増え、
YouTubeやSNSといった情報にも日常的に触れるようになります。
そうなると、性に関する情報も、自然と外から入ってくるようになります。
親としては、とても気になるところではないでしょうか。
しかもそれは、情報が正しいかどうかよりも、
「面白いか」「早く知っているか」が優先される世界でもあります。
大人が思っている以上に、子どもたちは断片的で、時に過激な情報に触れています。
外の性教育で実際に起きていること
実際にこの時期、よく起きるのはこんなことです。
そして、それらが、親にはあえて聞かなくなることもあります。
どれも、特別なことではありません。
むしろ、世界が広がっていく中で自然に起きる変化です。
1つ伝えておきたいのは、これは、成長としてとても自然なことだということ。
問題なのではなく、「変化」なんです。
外の世界に触れることも、興味を持つことも、
親に何となく聞けないということも、すべて成長の一部です。
むしろ、
「知らなかったことを知りたい」
「みんなが話していることを理解したい」
そう思うこと自体、とても自然なことなのです。
でも、ズレは必ず起きるのです。
問題ではない、その一方で、どうしても起きてしまうものがあります。
それが、理解のズレです。
断片的な情報だけが入ってきて、そこに意味が伴わないまま定着してしまう。
面白さや恥ずかしさだけが先に残り、本来の意味や大切さが抜け落ちてしまう。
そして何より、これは親に聞かない方がいいこと、と子どもが感じてしまったとき、
そのズレは、修正されないまま積み重なっていきます。
このズレは、誰かが関わらない限り修正されません。
だからこそ、修正していきたいところ。
家庭の役割は教えることだけじゃない
では、親はどう関わればいいのでしょうか。
ここで一つ、視点を少し変えてみてほしいのです。
私たちはつい、ちゃんと教えなきゃ!正しく伝えなきゃ!と思いがちです。
でも、外の世界がこれだけ広がっている今、
すべてを家庭だけで、カバーすることはできません。
だからこそ大切なのは、全部を正しく教えることではなく、
『戻ってこられる場所を作っておくこと』です。
我が家でも、そんな瞬間は何度かありました。
性教育講座でも話したことがある話ですが、
ある日、小5の息子がぽろっと、「カーセックスってなに?」と、
学校で聞いてきた話をしてきたことがあります。
正直、私もびっくりしました。
まさかのワードにさすがに私もおののきましたw
でも、まずとにかく、一度受け止めてみたんです。
すると、なんかちょっと、間があったんですが、
あれ、話していいの?みたいな(多分この雰囲気を言葉にするとそんな感じで)ホッとしたように、続きを話してくれました。
ダンゴムシが2匹くっついてて、それをみて、友達が言ってた、と話し始めました。
そこから、少しずつ言葉を選びながら、
「それはね…」と、
これまで話してきた卵子と精子の話、赤ちゃんが生まれるしくみの話へと、
少しずつつないでいきました。
私がここで大切にしていきたいと思うのは、もちろん正しいことを伝えることも大事ですが、
それ以上に、話しても大丈夫だった、という感覚が子どもに残ることです。
それが、次につながると感じています。
正すよりも、一緒に考える
この時期の親の役割は、
「正す人」になることではありません。
「一緒に考える人」でいることだと思います。
子どもが持ってきた情報を、
頭ごなしに否定せず、かといってそのままにもせず、
一緒に整えていく。
その関わりの中で、子どもは少しずつ
「自分で理解する力」を育てていくと私は思っています。
だからこそ、何を知るかより、誰と理解するかが大事なんです。
変な性に触れないようにいつまでも箱に入れておくのがいいのでしょうか。
私は、例えば変な性に触れてしまっても、そこを正せる人と場所があれば
大丈夫だと思えるんです。
外の世界は、これからどんどん広がっていきます。
情報を止めることも、すべてをコントロールすることもできません。
でも、
どこで何を知るか以上に、
「誰と一緒に理解していくか」は選ぶことができます。
帰ってこられる場所をつくる
子どもが外で何かを知ってきたとき、
そのまま外で完結するのか、それとも家庭に持ち帰ってこられるのか。
その違いは、日々の小さな関わりの中でつくられていきます。
完璧に伝えなくていい。
うまく話せなくてもいい。
ただ、ごまかさずに、逃げずに、子どもと向き合うこと。
それだけで、関係はちゃんと続いていきます。
外の世界は止められません。
でも、帰ってこられる場所はつくれます。
その場所があることが、これから先の子どもにとって、
大きな支えになっていくはずです。

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